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男は他の兵士と違って立派な肩当てのついた軍服を着ている。一見して上司らしい。
男が手を上げて合図すると、兵士たちは銃を下ろした。
男は無遠慮にきらりたちの飛行機に向かって歩いてきた。
男は怖い顔で窓のすぐそばで立ち止まった。
「ダントン大将か」
シュプルイアはほっと息を吐いた。
男もシュプルイアを見てほっと息を吐いた。同時に眉間のしわがなくなった。
きらりが「誰?」と小声でたずねると、マキャイナが「空軍のいちばんえらい人」と答えた。
ダントンはシュプルイアよりかなり年上に見えた。おじさん、という表現がぴったりだ。
◇
きらりたちは荷物用のハッチから外に出た。
外は肌寒い。
島の緑の正体は林だった。高さは2メートルほど。うっすら霧が立ち込めていて林の奥は見えなかった。
飛行機は地面にもぐろうとばかりにめり込んでいた。とても再び飛べそうにない。
しかし、飛行機が島のかなり端に止まったことはわかった。
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