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「だったら、天野さんと宇宙人たちと一緒に行った、あの人は誰っすか? 森本さんの代役?」
倉科は殿下に言った。
「宇宙船、か」
殿下は倉科を見ていないようだった。腕を組み、歩きだす。
「エリヌースくん! エリヌースくんは気にならないんすか? あの偽者の正体」
倉科は殿下の肩をつかんだ。
殿下は倉科の手を払いのけ、進んでいく。
「殿下はまた自分の世界に入り込んでるのでち」
ユリアナがばたばたと殿下の後を追う。
倉科も同じように追いかけようとした。が、森本に肩をがっちりつかまれた。
「倉科くん、ちょっとこの状況を説明してくれるかな。先ほど飛んでいった飛行船みたいなモノと、このイモ畑の惨状」
森本は倉科を捕まえたまま、あごでイモ畑を指した。
イモ畑が楕円形にへこんでいた。楕円形の周りにも6つの円形のへこみができていた。
へこみは幾何学模様に見える。
倉科は殿下とイモ畑を交互に見た。
間が悪いというか、何というか、倉科は貧乏くじを引いたような表情をしていた。
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