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シュプルイアは素直に「すまぬ」と頭を下げた。それからまだ何か話したそうに口を開く。
「王子様、お話し中に申し訳ありませんが、飛行モードを切り替えるなのです」
マキャイナが話に割り込んできた。
「わかった。操縦に専念する」
シュプルイアは真面目な表情になり、あらためて正面を向いた。
それからきらりに隣の座席に座るように指示した。
きらりがシートベルトを締めている間、シュプルイアは自分の座席の背もたれにマキャイナと人形を固定していた。
予備の座席はなく、牽引ロープでぐるぐる巻きにするしかない。マキャイナと人形は気の毒としか言えない。
作業が終わると、シュプルイアは本格的に宇宙船の操縦を始めた。
きらりたちの宇宙船はゲルハルト星の重力に吸い寄せられるように大気圏に突入した。
宇宙船はそのまま落ちていく。
しばらくして宇宙船の左右のハッチが開いた。
鳥が羽を広げるように、流線形の翼になった。
宇宙船が飛行機に変化したわけだ。
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