公認ストーカー

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公認ストーカー

「………」 「………」 「…………」 「………ハァハァハァ」 「っとになんなのお前!先月からずっと俺のあと追っかけてくるけど?!」 「あああ君に喋りかけられちゃったよ俺!ヤバい今日ツイてるぅぅう!!」 「ギャァァア近付いてくんな!!お巡りさんコッチです!!!」 普通の男子高校に通う俺。 別に、ホモ校とかそんなんじゃない。一般的な、ただ単に女子がいないってだけの、高校。 そこに、普通に通って、普通に授業受けて、普通に友人らと駄弁っていた俺の日常は、突拍子のないことで終焉を告げた。 ──このストーカーの出現によって。 俺が通う高校の中でもずば抜けて容姿の整っているコイツは、他校の連中にも顔と名前を知られていて、週1ペースで呼び出されて告られていると聞く。まじイケメン爆ぜろ。 そんな、俺とは縁もゆかりもないような男と関わってしまったのは先月。 校門前でコイツと、コイツに群がっていた隣町にある女子校の奴らが邪魔で邪魔でしょうがなかった為、(多少の苛つきもあって)俺は言ってしまったのだ。 『そんなとこにたむろってたら迷惑。そんぐらいも考えつかないわけ?馬鹿なの?阿呆なの?しねよ』 見下したように鼻で笑いながらそう告げると、案の定女子連中からは俺をディスる声が。 ああいいよいいよどうぞ存分にディスって下さいな!別にブスに何言われても痛くも痒くもないんでね! 言うだけいってそのまま通り抜けようとしたら、なにやら俺に注がれるキラキラとした視線。 ……キラキラとした視線? なにごと、とその視線が向けられている方に目をやると、そこに居たのは、 「や、あの時君に出会えて本当によかった!別に信仰とかしてないけど神様ありがとう!」 「いや俺は神様に裏切られた気分だけどね…」 「あの時の君まじで格好良かった!なんでカメラ回してなかったんだろう!でもしっかり脳裏には焼き付けたよ!!」 「なんなの格好いいとかイヤミ?つかあれがきっかけでストーカー始めるとかなんなのMなの?」 「今日はこんなにもお話できた。幸せ。日記に書こう」 ああ、クラスメートの視線が痛い。 いつからかコイツの呼び名は、──公認ストーカー。 お題元:確かに恋だった 美形ストーカー×強気 きっと受け君は絆されるでしょう…アーメン…。
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