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今からきみに告白します
「ねえ」
「んー」
「話しがあるんだけど」
「なに」
読んでいる漫画から目を離さないままで、話しかけてきたそいつに相槌をうつ。
「………」
「………」
「………」
しばらく続く沈黙。
なんだ、話しがあるんじゃないのか。
もしかしてアレか、俺が漫画読んだままだからとかか。まじか、だとしたらどんだけ大事な話。
ぱたん、と読んでいた漫画を閉じてから、ゆっくりと向かい側に座るそいつに視線をなげる。
「…なに?」
「…えっと、」
目が合うと、顔をうっすらと赤くし、口の中でもごもごとなにやら呟いたかと思うと、きょろきょろと目線を下げるそいつ。
え、なんなの。話すの話さないの。
待つのも苦手だし、早く漫画の続きを読みたいしで、「それで、話しって?」と先をうながす。
と、そいつは小さく息を吐いて、吸って、吐いてから、そらしていた目線を元に戻した。
数秒ぶりに、また目があう。
「えっ、と」
「うん」
「ぃ…今から、お前に、っ」
「うん」
「こ、ここ、っ告白…しま、す」
「…うん?」
好きです、俺と、付き合ってください。
お題元:確かに恋だった
なんだこれ(白目)
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