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「結城さん」
不意に声を掛けられ、結城さんは俺を見た。
驚いて首を傾げる。
けれどもすぐに斑目さんが自分の名前を読んでいたのを思い出したようで。
「何かしら?」
「下の名前って、シュウコって言いません?」
「え?」
「とあるゲームで笛を振り回していたり……、してません?」
「……」
当たった。
アキラが斑目さんの会社に派遣されているなら、そこにアキラの彼女がいる訳で。
一度だけアキラが言っていた彼女の名前を思い出す。
アキラの彼女のシュウコは、ゲームをする彼氏に痺れを切らし自分も一緒に参加し始めたのだ。
だから俺もオンラインで何度も一緒に遊んだことがある。
「もしかして、リオン?」
俺の名前が出てくるのは当然の帰結だ。
シュウコはアキラと一緒にゲームをするし、その時には他の人に迷惑を掛けたくないからって理由で、俺としかチームを組まない。たまに生ハムとかめろんもいるけど……。
あれ? シュウコはめろんが斑目さんって知っているんだろうか?
そもそもアキラは斑目さんがめろんって知らないよな。
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