理音。探偵になる。

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「うん、リオンです。初めまして」 「やっだ、本当に!? どうしてこんなとこにいるのよ!?」  シュウコは開いたエレベーターの扉をさり気無く片手で押さえて、俺に出るように促す。  そして迷わず正面にある社長室へ突き進む。 「こっちよ、リオン」 「ありがとう」  通された社長室は斑目さんらしくシンプルで、ブラウンを基調とした落ち着いた雰囲気だった。 「どうしてここへ?」  当然の質問をしながら、シュウコはお茶を入れている。  アキラを通さずに会話しているのが何とも不思議で。  少し硬めの応接ソファーに座り、シュウコを見上げる。 「斑目さんに、話があって」 「社長に?」 「ちょっと姉のことで」 「姉?」 「斑目さんの、嫁です」 「はぁ~!?」  シュウコは俺の言葉に、大袈裟ではなく湯呑と俺を二度見した。
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