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「こ、紅蘭…?」
いつもと様子の違う紅蘭を見て思わず声をかけた哀は状況をつかめていなかった。いきなり猫が人間の姿になって、紅蘭がいきなり殺意を放った。哀には何故怒ったのかもわからなかった。
「なんでもねぇよ、哀。すぐ終わらせるから」
そう言うと紅蘭は悪いことを考えている時の顔になり、抱き上げている哀のお腹に顔を押し付け、じゃれあいはじめた。無視されて怒っている猫は怒りからやがて殺意に変わり、長い爪を立て、哀に襲いかかて来た。
「おめぇの相手は俺だろ、哀狙ってんじゃねぇよ」
哀は襲われそうになったので紅蘭の服を握りしめ、顔を押し付け何もみないようにした。紅蘭はそれをいいことに猫を殺った。容赦せず、瞬殺だった。
「哀、帰るぞ」
「うん…」
哀と紅蘭の家は森だった、普通の家を買うと紅蘭の気を休める場所がなくなるから、と。フカフカのベットも、高価なものがあるわけでもなく屋根も壁もない場所。でも思い入れのある場所だった。
「寝るか」
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