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「茉衣あんた忘れ物は?!」
「ないよー!!」
「ほんとかい?」
「茉衣ママ大丈夫だよ。わたしもついてるし」
「それもそーだね。花波ちゃんがいるなら、安心だね」
でしょ?といってニコニコしている花波。
「ちょっとー!それどーいう意味よ!」
そう言いながら、大きいカバンをもち皆の元へ駆け寄る。
「そのまんまの意味だよ。あんたは、そそっかしいんだから」
「上京するって聞いた時は不安だったけど花波ちゃんがいるなら安心だね。こりゃ。」
「お父さんまでひどくない?!」
「あ、茉衣。もうすぐ行かなきゃ!」
「え?もうそんな時間?お父さん、お母さん、みんなもう行かなきゃ。」
と言うと急にお父さんが小さな箱を取り出して、わたしの手にのせた。
あけていい?と小声できくと開けていいよと言うように頷いた。
急いで箱をあけると、そこにはクローバーの形をした宝石がついたネックレスが入っていた。
「くれるの?」
「少し遅めの就職祝いだ。」
不覚にも少し泣いてしまった。
「お父さんありがとう!」
「きをつけていくんだよ」
「うん!行ってきます!」
わたしと花波の旅立ちを見送りに来てくれた、家族や友達たちに別れをつげ、幼なじみの拓斗の車に乗り込んだ。
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