0人が本棚に入れています
本棚に追加
もうすぐ空港に着くと言うときに花波が思い出したように話し始めた。
「そーいえばさ、奏斗は日本にいつ帰ってくるの?」
「え?兄ちゃん?一年ぐらいで日本に帰ってくるとか言ってたけどな…。」
「奏斗くんいつここでたんだっけ?」
「うーん、はっきりとは覚えてないけど、春だった気がするからもうすぐ帰ってくるんじゃない?」
花波が答える。
「まあ、そんなもんじゃないか?てか、早く降りろよな。着いたぞ。遅刻しそうなんだろ。」
「え、もう着いたの?」
「ほら、茉衣はやくー。急がないと遅刻しちゃうよほんとに。」
花波がむくれながら急かす。
「ちょっとー!まってー!」
大慌てで車から荷物を出し、空港に向かって走る。
「おい、お前ら慌てすぎて転けんなよ。」
「今はそんなこと言ってる場合じゃないでしょ!」
「おお、花波が怒ると怖いねー笑」
「だまんないと、その舌引っこ抜くよ。」
花波が静かに告げる。
さすがに舌抜かれるのはいやだったのか拓斗がだまる。
まあ、その間にわたしは一人で搭乗手続きを済ませに行っていたので、会話に参加できてないんだけど。
そして、なんとか出発の15分前には搭乗口につくことができた。
「お前らほんとに行くのか?」
「ちょっと拓斗急にどうしたの?寂しくなったの?笑」
「いや、別に寂しくないんだけどなんかな…」
「大丈夫!仕事落ち着いてきたら帰るし、なんだったら毎日連絡するし。」
「さすが茉衣、あ、ちなみにわたしはそんなことしないかもしれないし、しれなくないかもしれない。」
「かも多いわ!しかも長いわ!」
拓斗の突っ込みにふふふと笑う花波。ふと、時計を見やったのか拓斗が大慌てで言う。
「お前らはやく乗らないと!もう、時間だ。」
最初のコメントを投稿しよう!