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「あ、ほんとだ。じゃあもう行くね。」
花波が時計を見ながら言う。
「向こうでも元気でいろよ!」
拓斗が笑顔で手を振っている。
「うん、拓斗も元気でね!」
わたしも一生懸命に振り返す。
「ほら、茉衣行くよ。」
花波が私の袖を引っ張る。
拓斗が見えなくなる直前、わたしは後ろを振り返る。そこには、さっきまでの笑顔を曇らせている拓斗がいた。でも、私が振り返ったのに気づいて、笑顔で手を振ってる拓斗に、わたしは精一杯の気持ちをこめて振り返すことしかできなかった。
花波がいくよとでも言うように、私の袖を強く引っ張る。それにつられてわたしは飛行機に乗り込んだ。
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