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私立琳浚高校。
文武両道が基本、進学コースは彼の有名大学に最も近い場所と呼ばれ、体育コースは全国から選りすぐりの選手だけが入ることを許される
―――そんな所に、小三から始めたバスケくらいしか取り柄のない、平々凡々な十五歳、佐藤渚はウッカリ合格してしまった。
しかも、よりによってダメ元で受けた一般入試で進学科に。
「ねえねえ、佐藤クンって、
外部からわざわざ受けてきたんでしょ?
頭いいんだねぇ」
「いやいや、全然。
機械ミスなんじゃねぇの。
とってもじゃないけど、
実力で受かったとは思えねぇもん」
「そうなの?でもじゃあ、なんでわざわざ」
隣に座る女子。
驚くでもなく、侮蔑するでもなく受け答えをするところを見ると、もしかしてこういう事は決して稀なことではないのかもしれない、と思えてくる。
「幼馴染がさ、
スポーツ推薦で此処決まってたんだよ。
調べてみたら結構おもしろそうだったし、
親にも猛プッシュされちまって。
まぁ私立だし、ダメ元でもってことで受けてみたわけ」
まさか、本当に合格し、同じ学校に通うことになるとは思ってなかったけど。
苦笑し、机に肘をついた。
そして思う。
結局、ずっと同じ学校で、アイツらと比べられ続けるのか、と。
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