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「幼馴染かぁ。いいねぇ、何組の子?
何やってるの?」
「あー、あいつは―――」
「ぅおーい渚ぁ~」
渚の言う、“アイツ”が彼を呼んだ。体育コース、一年B組…
「あっあっ…あれ、
タカハシイツルじゃない!?
サッカーの!」
まだ名前も覚えていない生徒たちが、彼の姿を見た途端一斉に騒ぎ始めた。
「嘘!まじで?私、あの人のプレー超好き!
……って、もしかして
佐藤クンの言ってる幼馴染って…――」
「……そー、アレ」
渚は呆れながら適当に答えた。
こんなことは、中学二年になった辺りからよくあることとなっている。
「すごーい!
タカハシクンって佐藤クンの友達なの?
すごーい…」
当時の女子と何ら変わりないリアクションに、こいつは本当に琳浚の進学コースなのか、と、それが渚の率直な感想だった。
“アイツ”、つまり高橋一流は体育コース一年B組、サッカー推薦で琳浚に合格。
クオーターで生まれ付き髪が金髪、浅葱色をした瞳の美男子。
そして何より、“何をさせても適当にこなす”ということで昔から女子の注目を集める存在だった。
中二の時、初めて出た中体連のサッカー大会で活躍して以来、ずっとこんな感じだ。
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