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まるで当然のことを説明するような口ぶりだが、はっきり言ってこんな有名な進学校でする事ではないだろう。
本気で学ぶ気がないなら、そういう学校に行けよ。
そう思う。
渚と一流は視線を合わせ、互いに肩を竦めた。
「コーちゃん最近メグムに会ってる?
来週から始まる連ドラ、主演だってね!
さすがメグムだわ!」
「らしいね。
私もこの前聞かされたばっかりだけど…
何だか忙しそうにしてた」
相変わらずだね。笑いあう女子を見ながら、一流が首をかしげた。
「メグムって、
なんか聞いたことはあるけど…
渚、知ってる?」
「ん?…あー、モデルじゃね?」
ふと、実家によく投げてあった雑誌の表紙を思い出す。
割と人気なのだろう、母親の買う雑誌によく載っていて、渚はそれを嬉しそうに読む母親を見て「年頃に合ったものを読めよ」と笑っていた。
「これこれ!
メグムが専属やってる雑誌の最新号!
ほんと、見れば見るほど美しいよねぇ。
実物は更にかわいいけど!」
目の前に飛び込ん出来たのは、すらっとした体型で、栗色に頭を染め、流行の服を完璧に着こなした女。
化粧の所為もあるのだろうが、嫌味のない程度に大きな目と長くつややかな髪は、同じ歳には思えない色気を感じさせる。
それとなく“オーラ”らしきものを感じた。
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