第2章

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 どれ?一流が顔を寄せる。 「これ。イツも本気出して女装すりゃ  こんぐらいにはなんじゃねぇの?」 「喧嘩売ってんのか?」 「冗談だって」  怒んないで、一流クン、恐いんだから 。 渚がふざけると、彼は渚からひったくった雑誌を丸めて後頭部を殴った。 雑誌を開き、ぱらぱらとページをめくる。 女の表情はくるくると変わり、見ているものを飽きさせない。 一体、いくつの人格を持っていたらこうなるのだろうか。一流は思った。 「へぇ、可愛いじゃん」  一流が呟くと、渚は目を丸くして覗き込む。 「マジで?いや、可愛いけどさ。  イツが興味持つとか珍しくね?  そんなにかわいいか?」 「実物に会ったら惚れるよ?ね!」 「そうね、  高橋くんがどうかは…分からないけど。  あぁでも、くれぐれも手を出さないで頂戴ね。  スキャンダルで困らされるのは、  あの子の方なんだから」 「ハイハイ。分かってるって。  お前はマネージャーか」  バンッッッ 渚の皮肉を遮るように、勢いよく開かれた教室の扉。 飛び込んできたのは、今しがた紙面で確認した少女に間違いない。 彼女の放つオーラが、一瞬でそう感じさせた。 「こずえっ!この、馬鹿っ!」
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