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幼なじみの家は一軒家、新しくも古くもない、いわゆる“どこにでもある”家だ。
しかし、住んでいる人間はただ者ではない。
物心付いた時からずっと一緒にいる渚ですら、そう思っている。
チャイムを鳴らすと、彼らの母親が出て来た。
本人曰くうっすら外国の血も混ざっているとのことだが、本当のところどうなのかは誰も知らない。
彼女は若く美人で普段は優しいが、怒りっぽいという欠点がある。
それもかなり怖い。
渚が軽く挨拶をすると、花のような笑顔で中に入れてくれた。
二階にあがると幼なじみが出迎える。
二卵性の双子である二人は、喧嘩こそするものの異常なまでに仲がいい。
一人っ子である渚は、正直なところ少し二人が羨ましかった。
『イツ、オマエ自力で起きろや。
ミチが起こした地響きで、母さんがオレのコップ割ったじゃん。
お前の所為だよ、お前の所為』
渚が口を尖らせると、双子は声を揃えて言う。
『それ、家じゃなくて手が震えたんでしょっ!』
誰にも、コップが割れて不吉、だなんて発想は全くない。
双子のハモりが相当可笑しかったのか、お腹が痛くなるまで笑った。
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