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彼女の仕事というのは、やはりそれなりに忙しいのだろう。
そして、彼女はプロ意識が高いらしい。
同級生にすら個人プロフィールを明かしていないのだ。
メグムを中学から知っている人間も、彼女の名字を訊ねるとほとんどが肩をすくめ、知っているらしい学校側の者達も固く口止めされている。
担任の持つ名簿には、名前すら載っていない。
ズーッと音を立てて紙パックのジュースを飲み干すと、それを投げてごみ箱へ入れる。
メグムは上手いと褒め、槙は行儀が悪いと叱った。
「モデル、やめる気とかはないんだ?」
「今のところはね」
「でも、現実的に考えて
いつまでも続けられる仕事じゃないだろ?
今でこそ人気で囃し立てられてるけど、
老いればいつか
消えていくしかないのが芸能界じゃん?
って考えたら、まじめに勉強して、
学歴獲得しといた方が
賢明だと俺は思うけど」
「そうだね」
彼女は表情を一遍も狂わすことなく、弁当箱に詰められたサラダを口にした。
でもね。と続ける。
「今の私には、これしかないんだよ。
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