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「佐藤ってバカだったんだぁ~」
「だからバスケ推薦にしとけ
って言ったんだよ。
体育科の欠点なら、
進学科より百点多く落としても平気なのに」
メグムはコップの氷をストローで弄び、渚のテストを面白そうに眺めている。
カラン、カランと涼しい音を立てた。
やがて、注文していた品が次々運ばれてくる。
急いでテストを片付けていると、店員の一人が口を開いた。
「あんたが教えてあげれば?
トモダチ、なんでしょ」
誰に、というのは分からない。
料理をこぼさないよう手元に気を配りながら、そう呟く。
「あっ!はーちゃんだっ。
今日は真面目にバイト出てるんだね」
「関係ないでしょ。
つべこべ言ってないで働いたら?」
メグムは明るく、槙は冷たく答えた。
そして「女子だなぁ」と興味津々で三人の会話を眺める一流。
料理の熱気が立ち上ぼり、顔面を温い空気が覆う。
空気が、一品一品の匂いそれぞれが、嗅覚を刺激する。
味は所謂おふくろの味。
お腹の底に染みるような暖かい家庭の、それでいてどこか特別さを孕んだ味がした。
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