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「帰すかよ。
ヒトとのつながりは大切にしろって
親に言われなかっ…―――?」
「ッ!!…お前もな」
渚の言葉とかぶって、一流の声。
厨房近くに集まっていた視線が、テーブルの方へ戻る。
立ち上がったメグムの腕を、同じく立ち上がった一流がテーブル越しでしっかりと掴んでいた。
「ごめんねっ!
参加したいのは山々なんだけど、
仕事があるん――」
「つくならもっとましなウソを吐けよ」
「………」
メグムは静かになったが、まだ座ろうとはしない。
きっと、重要なことをひた隠しにされている。
そしてそれは今突き止めなければ、彼女たちがこの先自分たちにそれを明かすことはない。そんな気がした。
「なんなんだよお前ら、
ちょっと気味悪いんだよ」
「観念しろよ、二人とも」
一流の鋭い声とそれを抑制するような渚の低い声に、メグムは眉を寄せ黙り込む。
メグムのフォローをしようと、槙が渚を睨む。
「知ってどうすんの。
渚とは従兄弟だしクラスメイトだけど、
それ以上の関係を作るつもりはないわよ」
「てめぇに言ってねぇよ」
「誰に言っても同じよ!」
「あぁ!?」
「―――こうしない?」
このままでは埒があかない。
メグムが漸く口を開き、提案する。
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