第3章

11/23
前へ
/164ページ
次へ
「何かで勝負して、勝ち抜いた人間は  好きな相手に好きな質問が出来る。  負けた人は何でも暴露する。  どうせやるなら、  ゲームみたいに楽しくなくちゃ。  幸い明日は創立記念日で休校。  部活もないからゆっくり遊べるでしょ?」 少し間を空けた後、まず渚が賭けに乗る。 「内容は?」 「なんでもいいよ。  強いて言うなら、そうだね…」 「お互いの一番の得意分野はナシでしょ。  勝負が見えてて面白くない」 諦めたバイトの女が渋々テーブルに腰を預けた。 「ルールは臨機応変に」 「場合によってはイカサマも?」 “する気があるか”という意味も含めて一流。 そして、それに答えたのが…… 「アリよ」 メグムだ。 * 午後九時。 完全に店仕舞いをし、五人は店の二階にある槙の部屋に集合した。 いい感じの夜風が窓から吹き込みふわふわとカーテンを揺らす。 「トランプなんて、地味じゃない?」 本当にこんなのでいいの? 机の引き出しからトランプの箱を出しながら、槙は振り返って言った。 そのトランプを投げ渡され、受け取った渚が答える。 「手軽だしみんなまとめて出来るし、  いいんじゃねぇ?」
/164ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加