14人が本棚に入れています
本棚に追加
「何かで勝負して、勝ち抜いた人間は
好きな相手に好きな質問が出来る。
負けた人は何でも暴露する。
どうせやるなら、
ゲームみたいに楽しくなくちゃ。
幸い明日は創立記念日で休校。
部活もないからゆっくり遊べるでしょ?」
少し間を空けた後、まず渚が賭けに乗る。
「内容は?」
「なんでもいいよ。
強いて言うなら、そうだね…」
「お互いの一番の得意分野はナシでしょ。
勝負が見えてて面白くない」
諦めたバイトの女が渋々テーブルに腰を預けた。
「ルールは臨機応変に」
「場合によってはイカサマも?」
“する気があるか”という意味も含めて一流。
そして、それに答えたのが……
「アリよ」
メグムだ。
*
午後九時。
完全に店仕舞いをし、五人は店の二階にある槙の部屋に集合した。
いい感じの夜風が窓から吹き込みふわふわとカーテンを揺らす。
「トランプなんて、地味じゃない?」
本当にこんなのでいいの?
机の引き出しからトランプの箱を出しながら、槙は振り返って言った。
そのトランプを投げ渡され、受け取った渚が答える。
「手軽だしみんなまとめて出来るし、
いいんじゃねぇ?」
最初のコメントを投稿しよう!