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箱から出てきたトランプは随分古く、槙が産まれるよりずっと前からあるものであることが見てとれた。
裏面の模様は滲んだり擦れたりしてよく見えないが、日本語でも英語でもない文字の羅列だ。
「トランプなんて何年ぶりだろぉ。
何する!?
ババ抜き?七並べ?ダウト?大富豪?
なんならポーカーでもいいけど!!」
メグムは目を輝かせ、楽しそうに言う。
「俺もう頭使いたくない。ババ抜きにしよ」
勉強机の椅子に座り、少し眠そうな一流。
サッカー部は今日も下校時刻までみっちり練習だったのだ。
体育科にしては頭の冴えた彼だが、流石に部活後に夜遅くまで考え事をするのはかなりの負担らしい。
誰にも異論はなく、あっさり種目が決定する。
始めに「トランプにしよう」と言いだしたのは渚。
早く終わらせてさっさと帰りたいバイト、トランプは昔からよく暇つぶしに使う一流も承諾。
メグムは、自分は何でもいいからと初めから選択権を投げていた。
お茶を運んできた槙の母親も交ぜてほしいと言ったが、槙が反対しそれは叶わなかった。
「いいんじゃね?
人数多いほうが面白いだろ」
「だめよ。
お母さんトランプゲーム得意だから
一人勝ちしちゃうもん」
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