第1章

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第1章

ニュースの音声が、世界中の出来事を国民に知らせる。 それと同じ頃、時計は少年に朝の起床時間を知らせていた。 ピピッピピッ…ピピッピピッ… 『ミチぃ!イツ起こしてー。目覚ましウッサイわぁ』 『あぃはーい』 一階から聞こえた母親の声を合図に、小学二年生の少女が大きく息を吸う。 そして、近所のことなど全く構わず、地響きがするような大声を少年の耳元で出した。 『いぃーかげんに ……起きろやボケェェぇえええッ!!!!』 『わあぁぁ!』 少年は飛び起きる。 その声は隣に建つマンションの二階、少年と少女の幼なじみの家にまで届いた。  ガシャーンッ 『何、今の音?』 『え、あ… ああ!またミッチャンがイックン起こしてるんでしょ。  元気だねぇ。びっくり~』  二人の幼なじみ、渚(なぎさ)が彼の母親に訊ねると、彼女は何かを誤魔化すように笑った。 『や、ミチの声じゃなくて、  何か割れるような……  ああぁぁぁ!!』 足元を見れば、バラバラになり原形を留めていない渚愛用のコップ。 『オレの!』と叫ぶと母親は茶化して言う。 『小さいこと気にするんじゃないよ。  そんなんじゃあ、ちっさい男にしかなれないんだから~』 『気になるわクソババ・・・』 『渚も朝ミッチャンに起こしてもらうか?』 『気ニナリマセン☆オ母様ぁ!』 そんなやり取りの後、渚は機嫌の悪いまま幼なじみの家を訪れた。
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