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室井先生の笛の合図で鬼ごっこが始まりオレまず林の中に逃げ込んだ。
林の中には焼却炉がある。
いや、林の中に〝も〟かな?
この学校には今はもう使われていないが焼却炉が5つある。
ちょっとその中に隠れてやり過ごそうと思っている訳だ。
と、言うわけでオレは一番知られていない場所にある林の中の焼却炉に向かっています!!
ピ――――
2度目の笛の合図。
鬼がスタートしたのか。
そんな事を考えながら走っていると焼却炉が見えてきた。
オレは焼却炉の手前まで行くとロックを外し焼却炉の扉を開けた。
ギィ―――――
だが、ソコには思わぬ先客が居座っていた。
燐「えっ……」
?「貴様…誰だ?」
貴様こそ誰だ?
なんかスゲー俺様なオレのクラスの生徒会がいたわ。
燐「あー、失礼しました…」
ギィ――――ガッ
?「おい、待て!貴様は俺様を捕まえないのか?嫌、そもそも生徒会に興味ないのか?」
リアル俺様くそワロタwww
燐「興味ないです。ってか、そこから移動する気がないならオレの手を離して下さい。オレが捕まっちゃうじゃないですか。鬼に」
?「貴様…名は?」
燐「ハッ。テメェーは自分のクラスメイトの名前も覚えていねーの?そんな輩に名乗る名などねぇーよ」
?「なっ…分かった。俺様が卒業するまでには学年…嫌、全校生徒の名前と顔を絶対に覚えてやる」
何もそこまでしなくても…。
だが、オレは何も言わなかった。
多分この人はオレらが三年になった時の生徒会長だ。
つまり、全校生徒の名前を覚える=王道
ってことになる!!
三年になるのが楽しみだ。
燐「じゃあね。淋城君?」
オレは焼却炉の扉を閉め、全力でその場から逃げた。
数百メートル先に人影があったから。
シルエット的に恐らく…大神先生だった。
本当にあの先生苦手なんだよね。
それにさ、捕まったら一番洒落になんないだろうしさ。
オレは仕方なく体育館に戻り抜群の運動神経(笑)を最大限に利用し体育館の屋根に登った。
……ここなら安全な気がする。
誰かがオレを大神先生から守ってくれる気がしたんだ。
あ、でも…他力本願はよくないか。
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