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オレが高校生になって数日が経とうとしていた。
今の席順は出席番号順で並んでいるのだが、オレは〝あ行〟だから窓際の席に座っている。
この席から見える光景は校庭と、自然と、かなり遠くに街が見える程度だ。
ここは山奥の土地を開拓して造られたなかなか大規模な学校。そして心なしか現実世界とは切り離された場所である。
だが、とんでもないエリート高校で金持ちは勿論、スポーツ特待や学力の特待もとっている。
一言で言えばこれからの日本社会を背負っていくような人材ばかりが集められた学校。
さて、何でオレはこんな所にいるんだろうか?
絶対に入る場所を絶対に間違えた。
しかも、街から離れているだけじゃなく全寮制と来たもんだ。
それはいい。
生徒会が全員イケメンなのも今は許すし睨んだりしない。
これは僻んでるワケではない。
どうせオレは彼女いない歴=年齢だ。
教師が皆ホストっぽいのも気にしたら負けな気がしている。
ここは歌舞伎町じゃないんだぞ!
あ、違うって?w
問題はそこじゃない。
何故、オレはこんな場所にいるのかそれが許せない。
だってここは、女子が1人もいない男の楽園。つまり男子校だ!!
男同士のハズなのに恋愛は存在するし、イケメンには親衛隊があるしオレには理解出来ない。
まず、何故恋愛の対象が同性になっちまうんだ?
いや、偏見はないぞ?
好きになっちゃえば性別とか関係ないからね。
そんな事を考えてると教室のドアが開いた。
?「席着けー」
この人は室井 光汰<ムロイコウタ>オレ達のクラスの担任で理科系の教科担当だ。
いつも白い白衣を着ている。
いい先生だが、何個か問題がある。
燐「先生!質問です!!」
光「どうした?えっと…天草?」
燐「何で先生は入学式からずっとガスマスクをしてるんですか?」
この事を疑問に思ったのってもしかしてオレだけかな?
光「何を言っているんだ?」
燐「と…言いますと?」
光「ガスマスクはファッションだろうが!知らないのか?」
アンタが何を言っているんだ。
そんな禍々しいファッションがあってたまるか。
大体、何の違和感もなく、その禍々しいガスマスクを着こなしているから困ってるんだよ。
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