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寮へ帰りながらオレは卓球のラケットとシューズを何処に置いたか考えていた。
多分、寮に持ってきたハズ。
つか、オレ写真部に入る予定なんだけどな。
この数週間、放課後はほぼ毎日写真部の部室に足を運んでいた。
写真部にはオレの中学時代の先輩がいて、クラスの奴も見学に来ていた。
それにやっと写真部に馴染み始めていたのだが…。
―月曜日の放課後―
他の見学者と一緒に昇降口で待っていると、卓球部の部長と思われる人が歩いてきた。
そして、集団で部活棟に移動し部室で制服からジャージに着替えて今度は卓球場に移動した。
やべー、卓球場なのに暖房設備とか付いてる~流石金持ち校。
先輩達は既に部活をやっていて、その光景を見ていたらオレの心に火がついた。
卓球はもう、半年近くやっていないからブランクがヤバいんだろうな…けど、ボールを打ちたい。
しかも、先輩達は新聞に載るレベルの人ばかりがいる。
こんなに強者が集う場所に今自分がいる。憧れの選手もいる。
オレは名も知らぬ少年と打ち合いをした…が、ブランクがある訳で全然スマッシュが入らない。
これ事件でしょ。
顧「おい、お前ら卓球続けねぇかァ?」
ヤクザが絡んできたっ!!
口調までマジでヤクザ!!
燐「どうする?」
?「…うーん」
オレは打ち合いをしていた名も知らぬ少年に問いかけた。
顧「あれなら明日も来い!」
オレはヤクザが出してきた、個人情報を書く紙に自分の事(クラス、名前、電話番号など)を書いて今日は帰る事にした。
あ…結局、断れなかったな。
よし!明日は断ろ。
オレ、やっぱり写真部に入部する予定だし。
でも、卓球部の先輩達は皆面白そうなんだよな…。
まぁ、明日も見学に来てそれからどうするか決めればいいか。
次の日、部室に行くと少し時間が早かったからか先輩達とオレしかいない。
先輩は三年生が26人二年生が3人で活動しているらしいが、三年生が部活に来ることはあまりないらしい。
進学にしても、就職にしてもそろそろ進路を決めなきゃいけない時期で、進学組はユトリがあるが、就職組は履歴書を書く練習や面接練習が忙しいらしい。
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