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むくりと妹は起き上がり、
「びっくりさせてごめんなさい。」
と僕に一礼してから部屋から出ていった。
「お前…妹いたのかよ。」
「あぁ。」
「聞いてないぞ。」
「聞かれてないぞ。」
返す言葉がなくなった。
佳弥っていってたな。
顔は…兄に似て端整な顔だちだったとおもう。
それに首から汗が流れてて、目も少し虚ろで…それで
「おい?顔赤いぞ。佳弥の熱でもうつったか。」
「は?まさか。こんな早く症状でない。」
「そうか。…まぁいい、練習だ練習。」
後藤は楽譜を手に持ちさっそくピアノ
を弾き始めた。
そして僕も、ヴァイオリンの調弦を始めた。
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