第1章

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いくつもの部屋から、調弦の音やピアノの音が混じり合い廊下に響き渡る。 僕はここの廊下を通るたびこの学校に入ったことに幸福を感じるのだ。 とくに朝、この洋風の大きな窓ガラスからたくさんの光と生徒の練習する音色が僕の何かをたまらなくさせる。 「おい、なに固まってんだ。早く練習室借りに行かねーと先にとられちまうぞ。」 そうだった。 「うん、分かってるよ。行こう。」 ………
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