その口撃イエローカード

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「あ、陸!!」 「りーくー!シュート!!」 「もーっ、陸おしい!!」 「そこでパスっ!!あぁ、陸、そっちじゃなくてー」 ある程度ならわかるサッカーのルールと。 知ってる人がいるというこの楽しさに。 すっかりハマって叫ぶ私の横……、 「さて、とも」 こっちを向いた蒼が、すっと視線を落とし。 「うん?」 「試合はハーフタイムだ」 今度は体ごとこちらに向ける。 「うん、そうだね」 「陸、陸、叫びやがって」 ぐっと体を寄せる彼は。 「……うん?」 「その口ふさがれてぇか?」 言うや否や、言葉通り私の口をふさいだ。 どんどん深くなるキスに。 意識はぼんやり。 「……、……んっはぁ……」 やっと離された唇から大きく息を吸い込んだ。 「ちょっと……まって、」 「いいや……試合続行」 「ハーフタイム、終わるよ」 「……チッ、」 舌打ちしてから。 ちゅっ、キスを落として体を起こす彼は。 結局やっぱりサッカーに夢中。 終わって片づけする私の後ろ寄ってきて。 この体に腕をまわした蒼は。 「とも、」 「うん?」 「俺らも試合再開だ」 今度はそのまま後ろから押されて。 たどり着いた先、ベッドルーム。 「……片づけ終わってない」 「あとにしとけ。手伝ってやるから」 「っ……ん、」 「今日は激しい戦いになりそうです」 「え、やだ」 「くくくっ、」 いつだって優しい彼は頬を撫でて微笑みながら、 【アイコンタクトで誘うシュート】
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