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「娘!?嫁だろ、嫁!!」
「なにをいってんだ。西嶋になったんだから、娘でいいだろ」
「意味わかんねぇ」
「わからんならわからんでいい!ほら、とも。食べれる物沢山食べなさい」
蒼を眉間を寄せてじろりと見てから。
ぱっと優しい顔に変ってコップにジュースを注いでくれるお義父さん。
いつも思うんだよね。
蒼って、お父さんにそっくりって。
ちなみにお兄さんの慎さんはお母さんに似てるなと思う。
「ともちゃん、お母さんね、さっきケーキ作ったのよ!食べて帰ってね?」
「はい!」
「ともちゃん、僕も今朝凛と一緒にお餅ついたんだよー!沢山食べてってね」
「ね、ともちゃんっ!」
「はい、いただきます」
「とも。餅は食えるのか?」
「なんでも食べます!」
「よし、蒼、ともに餅持って帰れ」
西嶋邸から帰り、ほっと息を吐く。
「…………」
蒼は山のように持たされた食べ物に若干顔をひきつらせたまま、しばらく無言だった。
「蒼?」
「……あぁ」
「ずっと思ってたんだ」
「うん?」
「蒼、お父さんとそっくりね」
「やめろ」
くすくす笑えば漸く思い切り息を吐きだした蒼は。
ゆっくり私を抱きしめた。
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