ヨメをムスメと読め

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「……とも、」 「うん?」 「疲れたろ」 「んー、そうでもない」 「あの騒がしい中にいてか?」 騒がしいって。 そんな事言ったら、ね? 「桜花のみんなといる方が騒がしいと思うけど……」 「あー……まぁ、そうだが」 「ん?」 「うちの親に会えば、気疲れもすんじゃねぇか?」 気疲れ……。 そんなこと、殆どない。 私は首を振って。 腕の中、蒼を見上げる。 「だって、娘みたいにしてくれるもの」 「……あー」 「お母さんも、お父さんも」 「……っ、」 「お兄さんも、凛さんも、みんな好きよ?」 言えば蒼は少し苦笑を洩らして。 「ありがとな」 ぽつりと漏らす。 「ん?」 「いや、」 「……蒼も、ありがとう」 「あぁ?」 「うちの親、ちょっと変わってるもの」 「……くくっ、まー、そうか?」 「ね。明日、大変だと思う」 「榊さん、迎えに来るんだったか?」 「うん。ほら、絶対大変よ」 「くくっ、呑まされるだろうな」 「絶対、確実だわ」 2人くすくす笑いあって思う。 【家族になってきた】
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