3日で都市伝説

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給湯室に入って。 そわそわ、落ち着かない。 そ、そうだ。 お湯…… あぁ、給水機からお湯出るんだった! で、でも! ヤカンで沸かした方が、なんか、良くない!? うん、とりあえず。 ヤカンでお湯がわき始める頃。 あっ、 「あ、に、西嶋くん、お疲れ様」 「あぁ?あぁ、お疲れ」 わ、わっ、久しぶりに会話した!! 備え付けの紙コップにドリップを乗せようとした彼に。 頑張れ、私! 「に、西嶋君。良かったら一緒にコーヒー、淹れるよ?」 よし、言った!! 私、頑張った!! 「一緒に?」 カップとドリップの袋を片手ずつ持って、僅かに首をかしげた西嶋君。 まずい! かわいい!! 「いや、いい」 内心心臓バクバク、かつ悶絶状態の私に。 あっさり否定の言葉を振らせた彼は。 私の反対側にある棚の上でカップにドリップを乗せると。 給水機から出るお湯を注ぎ始めた。 「悪いな。コーヒーには煩いんだ」 言いながらどんどんお湯を淹れるそれは、どう見てもこだわってる様には見えないんだけど……。 ぽいっとゴミ箱に使い終わったドリップを落として。 さっさとここを去って行った直後。 「くっくっくっ、撃沈、だな」
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