3日で都市伝説

4/4
前へ
/284ページ
次へ
「……うるさい、小田」 「おい、俺は呼び捨てかよ」 「あんたなんか名字呼んでやるだけ良いってもんよ」 「ひでー」 隣でケタケタ笑うこの小田をキッと睨んだ。 「西嶋にコーヒー淹れるのも断られてかわいそうに」 「……うるさい。“も”ってつけないで。他は断られてない」 「飲み会は?」 「それは、」 「下手な仕事の手伝いアピールは?」 「……っ、」 「あと……」 「あー、もう!そうよ、ことごとく断られてるわよ」 「仕舞に結婚しちゃって、告白のこの字も言えずじまいか?」 何て男、この小田のヤツ! 「あ、俺にもコーヒーお願いな!」 むかつくけど。 結局コイツにもコーヒー淹れてやる私、いい人! 「……はぁ。はい、どうぞ」 「お、さんきゅ!」 カップを受け取った小田は給湯室の入口をちらり、振り返り。 私に少し近寄った。 「なに、」 「良い事教えてやろうか?」 「……なによ、」 「西嶋情報」 「え!」 「食い付いたな。ははっ。いいか、西嶋の奥さんって」 「おく……さん?」 「このフロアの女子かき集めて足しても敵わないくらい美人だぞ」 …………。 顔が引きつった。 ありえねーだろ、この小田のばか! 【そんな美人なら、是非拝みたい!】
/284ページ

最初のコメントを投稿しよう!

491人が本棚に入れています
本棚に追加