白に戯れるdrowsiness

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ソファに座り、ぼんやり。 テレビに流れる明日の天気を見る。 そうして、 こてっ 隣に並ぶ、自分よりも高い位置にある肩に頭を倒せば。 「くくっ、」 その肩が揺れて、彼が喉で笑う声が頭上から降ってきた。 「とも、流石に眠いんじゃないか?」 その声にゆっくり頭をあげて彼を見上げれば。 その目は優しく細まり、口元が少し持ち上がった。 「……まだ……だいじょぶ」 何とか返事をすると、また少し。 「くくっ」 私はその声がとても好きで。 再び肩に頭を乗せて、私も口元を持ち上げる。 ベッドに入るにはいつもよりも早い時間。 大きなあくびを押し殺す私と。 ソレにまた少し笑う彼は。 今日まさに。 新婚旅行から帰宅したばかりで。 「……荷物、」 「明日でいいだろ」 「洗濯物……」 「いいから明日にしとけ」 「じゃあ……お言葉に甘えまして、」 「くくくっ、あぁ、存分に甘えろ」 「素敵な旦那様だね」 「惚れなおしたか?」 顔を覗き込むようにした彼に。 私はいたずらに笑って目を伏せる。 「ううん、直さない」 「あぁ?」 「だって、」 「ん?」 「メーターは既に振り切ってる」
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