遊び疲れた先に光る星

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最後に連れて来てもらったのは。 「……観覧車」 「乗らないか?」 「乗る!」 「だろ」 チケットを買って乗りこめば。 蒼は少しむっとした顔を私に向けた。 「……とも」 「なぁに?」 「なぜそっちに座る」 「えっ!?だ、だって一緒に座ったら傾……」 「……かねぇから、こっちこい」 私の言葉を受け継いで否定した蒼は、隣をポンポンと叩いて。 そのぽんぽんがかわいくて。 私は顔を緩めながら隣に腰掛ける。 夕陽が傾きだした景色はきらきらと輝いていて。 「蒼、綺麗だね!」 振り返れば頬を滑る手に掴まって。 「……、……」 「ふふっ、これじゃあ景色みれないよ」 唇に落ちたぬくもりに笑みが洩れる。 「たまに外でするキスもいいな」 「え、」 「一度あれだけ大勢の前でして見せたしな」 「そ、それはもう随分前の話……」 「よし、これからちょくちょく外でするか」 「だ、だめです!」 「なんで」 「はず、恥ずかしいもん」 「じゃあとりあえず、」 「……、…そう」 「くくっ、練習も必要かと思ったんだが、そんな赤くなるな」 「もう……」 「牛になるな」 「なってないよ!」 「くくくっ」 やっぱりどうして彼には敵わない。
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