伝説グッバイ

6/6
前へ
/284ページ
次へ
≪side so≫ 「ったく人の嫁を勝手に都市伝説にするなっての」 「ちょっと、蒼。私が都市伝説ってこと!?」 「くくっ、まぁ、実際はそれ以上だがな?」 「そんなわけないから!っていうか恥ずかしすぎる!」 「くくくっ、大丈夫だ。お前は誰に会わせても恥ずかしくない嫁だ」 「やだ、恥ずかしいよ!」 「そんなに恥ずかしいものをさらけ出して歩いてんのか?」 「さ、さらけ出……」 「あぁ、昔目の下のクマも指摘するなって怒ったよな?」 にやり、見下ろせば完全に膨れた俺の可愛い奥さまは。 じろりと俺を見上げてわざとらしく視線をそらす。 くくっ、いつまでたっても可愛いヤツ。 「ほら、そこのドーナツショップでも入って一服するぞ」 手を引けばすんなりついて店に入って。 「二つ食べたい!」 あっという間に機嫌が治ったともに笑みが洩れる。 テーブルに座ってじっと俺を見るともに首を傾げれば。 「……桐谷さん、可愛い人だったね」 「あぁ?」 ……くくっ、 ったく、まだやきもち妬いてんのか? 「俺はともにしか可愛いは発動しねぇ」 「だぁっ……なんか今日すっごい恥ずかしい!」 顔を赤くしてドーナツに食い付いたともは、 【可愛い以外に何て言う?】
/284ページ

最初のコメントを投稿しよう!

491人が本棚に入れています
本棚に追加