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「高校の時……」
「高校?」
「あぁ、たしかあれはホワイトデーだったか」
「あ!みんなで一輪ずつくれたのよね!」
「あぁ。その時も翔はその花を選んでた」
「ふふっ、結婚式の時もよ?」
「くくっ、翔にとってお前は気高く尊いんじゃねぇか?」
「……どっちかというと、翔さんの方がそんな感じするけど」
「ははっ、」
笑った蒼はちょんとお花をつついて。
懐かしそうに目を細めた。
「……で、」
「あぁ?」
「なんで蒼がガーベラの花言葉、知ってるの?」
少し目を見開いた蒼は。
苦笑を洩らして私を見る。
「調べたんだよ」
「調べた?」
「あぁ。その高校の時、翔がいろんな色のガーベラを運んできて、優斗が好きなの一本ずつとれって言ったんだ」
「へぇ」
「それならと俺はなにか意味があればと思って調べた」
「……蒼もあの時、ピンクのくれたよね?」
「……お前、意外と記憶力いいな?」
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