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「蒼、ステキ」
「ともあっちいってろ、集中できねぇ」
「ね、やらせて?」
「……そうだな……って、いや、ダメだ」
「どうして?」
「俺が我慢できねぇだろ」
「ダイジョウブ、優しくするから」
「その言い方、もっとだめだろ」
「……信用できない?」
「そうじゃねぇ」
「私がやりたい。ね、お願い、やらせて!」
「ま、待てとも!俺にも心の準備ってもんがあるだろ」
「ダイジョウブ。痛くしないから、」
「だから、さっきから言うダイジョウブが怖ぇんだよ」
目の前に迫る可愛いともはとうとうソファの前、ローテーブルとの間に胡坐をかく俺の前に潜り込み。
その手に俺が手にしていた、これまたともが買ってきた女性用L型カミソリを奪い俺に向ける。
今俺たちが何をしているのかというと。
3連休の間、厳密に言うと金曜の朝剃ったきり手をつけずにいた髭を剃ろうとしているのだが。
何故、リビングでやろうとしているのかというと。
話は数週間程前にさかのぼる。
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