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「それにしても、お前どうしてメガネ作ったの?」
午後からの書類を準備しながら西嶋に聞けば。
「最近パソコンで目が疲れるんだよ」
「あー、わかるわー」
「それでパソコン用のコレを進められたんだ」
「へー。デザインもいいし似合ってるよな」
「くくっ、嫁が選んだからな」
……くそっ!
またのろけやがった!
「視力悪いのか?」
「いや、逆だ」
「逆?」
「視力は良すぎるくらいだ」
「あははは、お前老眼になりやすいかもよ!」
「それは単なるうわさに過ぎない。視力の善し悪しにかかわらず老眼にはなるが、近視の人間は気付きにくいというだけだ」
「……あ、そうなの?」
「あぁ、だからお前もその目をよく見開いて、このページが逆になってるのを修正しろ」
「うっ、」
くそー!
どうしてこいつってこんな出来るかね。
「あはははっ、小田、西嶋君には完全に敵わないよね」
「はい、始まる前にコーヒーでも飲もうよ」
桐谷と山田が淹れてくれた紙コップのコーヒー。
ソレを受け取って、無表情に口をつける西嶋に山田が声をかけた。。
「コーヒー好きだったよね?」
「……コーヒーは好きだが、」
「うん?」
「嫁の淹れたのが飲みてぇ」
最近やっと少し、俺たちと会話が弾みだしたと思ったら。
【頭の中に居るのはただ一人】
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