アロマ・森林・君声浴

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≪side yuto≫ 通常朝から夜中まで。 大きな屋敷の自分の部屋に入り、大きく一つ息を吐いた。 今日も時刻は……あぁ、既に日が変わっていたんだった。 明日は週1度の休日。 いつもならさっさとシャワーに入って寝るところだけど。 今日はパソコンを立ち上げた。 デスクトップに映し出されるのは仲間たち。 無邪気に笑いあう高校時代のものから、酔っぱらってグラスを持ち上げるもの。 何か真剣に語り合う後ろでアホな顔で映る仲間のソレ等は、俺の大事な写真たち。 アルバムのファイルを開いて、一枚ずつ眺める。 ここに入ってる写真類は、半分自分で撮ったもので。 残りの半分は、実は、高校時代の担任、真壁先生から貰ったものだ。 執事になると決めてから、その準備期間の間、ヤツと連絡を取った。 俺が執事になると言えば少し驚いたみたいだが、高校の間執事気取ってた俺を知っているからか、満面の笑みで喜んでくれた。 懐かしい高校の行事ごとの写真は、その担任から貰ったもの。 当時はわからなかったが、今こうして見れば、高校生らしく元気いっぱいだったんだなと思うと、自然に笑みが洩れた。
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