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≪side kii≫
みんなでぶらぶら新しくなったショップを見て歩いた。
唯ちゃんとともちゃんはきゃっきゃと楽しそうに2人はしゃいでて。
女の子とこうやって楽しそうにしてるともちゃんを見た事がなかったなーなんて、ぼんやり思い出した。
ユニセックスのものを扱う店が数件並んでいたから、僕らも服とか見てたの。
そしたらさ。
「っ!?ともがいねぇ」
急にはっと顔を上げた蒼ちゃんが信じられないくらい焦った顔してて。
ケンちゃんとタケちゃんまで一瞬で怖い顔して。
唯ちゃんはまだ僕たちと同じ店の中を眺めてた。
僕も焦って店の外に出たら。
ともちゃん、隣の店にいたんだけど。
これまた、こういうタイミングで?
なにやら男と話をしてるともちゃん、発見しました。
あーあ、蒼ちゃん冷凍ビーム出てるからね。
気の毒な人は、どうやらともちゃんの中学の時のクラスメートらしくって。
まだ“桜”って呼んでた。
しかもどれが彼氏?って。
こんなの見ただけで蒼ちゃんだってわかるのに!
丸わかりなビームが出てるのに!
そして、指輪までしてるのに!
ふざけて挙手したらタケちゃんのチョップくらったけど。
なんだか、この雰囲気が昔から変わらなくてさ。
僕は今日、みんなとここに遊びにきて良かったなって思ったんだ。
【変わらない空気っていいよね】
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