朱色に染まる日

4/4
441人が本棚に入れています
本棚に追加
/284ページ
少しお腹を撫でて。 窓の外を見る。 「どうした?大丈夫か?」 その声に振り返れば、心配そうにした、ケン。 ちょっと笑って。 「夕飯何にしようかなーって思っただけよ」 言えば、彼は目を見開いてから、破顔した。 「すっかり奥さまじゃねぇの」 「ふふっ、でしょ?」 「アイツがうらやましいわ」 「ケンも、いい人見つけなきゃね?」 覗き込むようにすれば。 ケンは困ったような笑顔をもらし。 「あー……俺かぁ?」 腕を組んで少し考えるようにして。 「しばらくねぇわ」 からっと笑う。 「フランス美女でも連れて帰ってくるかと思ってた」 「ははっ、そうすりゃよかったなー」 両手を頭の後ろで組んで。 天井を仰ぐように見たケン。 彼の頭の中はなかなか探れないから。 私はその姿を見つめるだけ。 「よし、帰るかな」 「夕飯決めたのかー?」 「んー、まだ」 「ははっ」 「買い物して帰るー」 「あんまり無理して出歩くなよ?」 「んー、ありがと」 手を振って、見上げた空はオレンジに近づいた。 帰った蒼に今日の話を全部したら。 優しく微笑んで、頭を撫でる。 【それは日常の一コマ】
/284ページ

最初のコメントを投稿しよう!