Prolog

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  【スティンガー】   ボルトを緩めたので振った鎌の先から刃が正方向に飛んでいく! 撃鉄を喰らった男が立ち上がろうとしたそのとき、男の腹部に突き刺さった!   「返してもらうよ」   江島は平然とした顔で近寄り引き抜いた。   「グワァ!」   プシュウウと吹き出た血しぶきが江島の髪を濡らした。   「ち…ちくしょう」   まだ息はあるらしい。   江島はギターカバーに鎌を戻してMP3を取り出し、イヤホンをつけながら話した。   「どこのピザ野郎の回しモンかは知らないけど今度来るときは自分で来なって伝えといてくれ」   左耳につけてパンクロックを流す。   「もっとも、他の二人が暇になるから多人数で来いよ」   坊主の男に背を向けて、江島は夜の闇に消えた。  
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