21人が本棚に入れています
本棚に追加
相棒じゃないわよね?だって、先輩はそんなに役に立ってないし”
“相方・・・じゃ、漫才だわね”
泉は、ん~と考えている。
“アシスタント?
いや、違う。取り敢えず、ア行から離れてみよう。
子分?どっちがって? まぁ、これも違う。
付き添い。・・・病人じゃない。
執事。・・・品が無い、似合わない。
どうもどれもしっくり来ない”
色々考えていたら、肝心のピクシーも移動し姿を見失ってしまった。
“しまった!森野先輩がぁぁ
ほんっと、真田先輩、役に立たない!!!”
『やっぱ、もういいです!』
泉はそう言うと、電話をブチッと切った。
電話を切られた真田は、茫然としていた。
頭が思うように働かない・・・。
さっきの泉の電話が頭の中でリフレインを起こしていた。
“先輩は特別”
“だって、私の『愛』・・・”
「あっっ、あふっ、・・あっあっ・・・」
「真田、どうした?」
過呼吸気味の真田を見て隣の席に今井が声をかけた。
「あっ、あぃ・・愛って・・・・、愛って・・・・どういう・・・事?」
も、も、もしかして???
泉・・・・
おまえ、俺に気が?
手がプルプルと震え、携帯を揺らす。
心臓がバクバクといつもより1.5倍速で動き始めた。
「愛ぃ?それは!!こういうことだ!!」
今井はニタリと笑うと、左の胸の前に手でハートを作った。
「うっ・・・。」
真田は、真っ赤な顔で口元を片手で抑えた。
「お~い!硬派の真田が愛に目覚めたぞ~」
今井は大きな声で笑って、ヅンヅン肘鉄をくらわす。
“どうしよう・・・”
これから、体育で嫌というほど走らされるのに・・・。
これじゃ心臓が持たないよ。
いつまでもドキドキが止まらない真田なのだった。
春はまだ遠い、1月のお話。
終わり*^^*
お次は誰を書こうかな。
最初のコメントを投稿しよう!