第4章 続・二人の関係 真田と泉編

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アツアツの豚玉が出来上がった。 「お待ち。」 そうぶっきら棒に言いながら、泉の前にお好み焼きを出す。 「美味しそう!」 「熱いから気を付けろよ。」 泉は、ふうふう吹いて少し冷ますと口に入れた。 「おいしい!」 泉は目を見開いて驚いた顔をしながら言った後、夢中で食べ始めた。 泉の一言を聞くと、真田はにっこり笑って他のオーダーのお好み焼きに取り掛かった。 一心不乱に焼く真田に店長が声をかけた。 「真っち、あそこに座ってる子、真っちの彼女?」 「べ、別にそんなんじゃないですけど。」 少し照れて答える。 「だよねぇ。“彼”の前じゃ、大盛りは無いか。」 そう言いながら、店長はにんまりと笑った。 真田は、あからさまにムッとした顔をした。 「ここはバイトのレベル高くてさ、イケメン揃いなんだけど、真っち目当ての客も結構いるみたいなんだよね。」 意外な事を聞いて、真田は目を丸くした。 「そんな子、本当にいるんですか?」 「あぁ、ニブイ所も真っちの好感度上がるポイントだから気にしないで。」 「はぁ・・・。」 「真っちは、もてる方なんだから、自信持ちなって言いたかっただけ。」 そう言って、店長は真田の肩をポンポンと叩くと、客席からの呼びにハーイと笑顔で向かった。 真田は、チラリと泉の方を見た。泉は、最後の一口を食べ終わる所だった。 「先輩。」 泉はにっこり笑っている。 「ん?」 「豚玉大盛り、お替りください。」 おねだり顔で言われて、真田は思わず噴き出した。 「ちょっと、待ってろ。」 確かに、彼氏の前では大盛りお替りは、ないかも知れない。 だが、これは泉の素なのだと思うと、少し嬉しく思う真田なのだった。 「ご馳走様でした。」 泉は満足げに手を合わせるとお財布を取り出した。 「ここはいいって。俺の奢り。」 そう言って、真田は泉を制した。 「でも、結構食べましたよ?」 「いいんだよ。いつもピクシーのレア情報くれるお礼。」 真田にそう言われて、泉もにっこり笑った。 「それじゃ、お言葉に甘えて。先輩美味しかったです。ご馳走様でした。」 「おぅ、また、学校でな。」 「彼女ちゃん、お気に召したら、また来てね~。」 店長が横からチャチャを入れる。 「はぁ~い。」 泉は笑顔で手を振ってお店を後にした。
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