第一話~この街に生まれて~

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喘息とは何なのか分からなかったが、僕は分かったと元気に答えた。 母親は、優しい声で欲しいものはないかと直後に尋ねてきた。 「お兄さんとにゃんこに会いたい!」 それが僕の欲しいものだった。 だけど、お兄さんが猫を連れてくることはもうなかった。 僕の体を心配したからだろう。 そして、お兄さんは受験に合格をしてこの街を離れた。 僕が会いたいと思っていた、猫も連れていってしまった。 まだ短い僕の人生のシンボルは猫なのだ。 だから、僕はクロを求めたんだ。
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