13人が本棚に入れています
本棚に追加
彼女は病室のベッドの上から僕をじっと見つめている。
僕のプロポーズに返答しない。
僕は彼女の手を握る。
「子どもが授からないのは残念だよ。だけど君が生きていたよかった。だから……だから……」
彼女は僕の手を握り返す。
「私は……私は……あなたとの子どもが欲しかった……」
「うん……」
握られていない手で彼女の頭を撫でる。
「確かに僕の責任だ……。だけど、君の人生を僕以外の男に渡す気はない。君の残りの人生を全て僕にください」
わぁと彼女は僕の手に顔を押し付けて声を出して泣いた。
「あなたは卑怯です!いつも、そうやって私の好きを大きくさせる!そんな、あなたからどうやって離れろというのですか!」
僕は彼女の頭をもう一度撫でる。
「……僕ばかりが君にぞっこんだと思ってた……。君の心が聞けて嬉しいよ」
彼女は涙で顔を真っ赤にしている。
でも、やはり僕の彼女だ。
その次の言葉に僕は驚く。
最初のコメントを投稿しよう!