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「これで……。これで、クロへの罰は終わったんよね?」
むちゃくちゃ怒っているようだった。
空から、そうだと声が響く。
「なら……。なら……。クロのご主人たちにご利益与えてもいいんよね?」
僕は顔をあげる。
そうだ!僕らが僕らの力で病気を治してあげれば……。
そう思った瞬間、ならんと声が響く。
「あの子の病気はすでに手遅れだ。命は助かるが、子宝を失うことはまぬがれん。……それにこの罰を逃せば、神罰はまだ続くぞ」
「そんな……」
シロの声が弱々しく僕の耳に入る。
僕が……。僕がしっかりしてなかったから……。
くちびるを噛み締める僕に上の神様は声をかけてくる。
「お前はよくやった。誰かの命をなくすことなく、こういう神罰になったんだ。犠牲者がなかったことをほこれ……」
僕はきっと空を見る。
「ご主人の赤ちゃんはあきらめる!でも、僕はご主人がいたから、てっぺんの神様に信じる心を認められて神猫になったんだ!これから僕はまた、罰を受けるかもしれない!でも!僕を神猫にしてくれたご主人を巻き込むのだけは、もうやめて!」
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