第二十話~君の幸せとは~

5/6
前へ
/265ページ
次へ
僕は空をきっとにらむ。 いいだろうと聞こえる。 空からじゃなく、僕の体を突き抜けるような声が。 「もしかして、てっぺんの神様?」 そうだと聞こえる。 お前の負けん気はなかなかだ。 認めよう。 僕の体はガタガタ震える。 ものすごく怖い! 体の奥底から響くようなてっぺんの神様の声が! シロが心配そうに僕を見つめる。 「クロ……。少し休みぃよ」 シロには聞こえてないんだ。 僕はガタガタ震えながらシロに大丈夫だよと笑いかける。 「今、てっぺんの神様と話してるんだ。それが終わったら休むよ……」 僕は奥歯をぐっと噛んでお腹に力を入れた。 「ご主人には祝福があってもいいはずだ!僕って神猫を誕生させたんだから!」 上の神様の声が響く。 「こら!クロ!望みすぎだ!」 上の神様は、そう言ったけど、てっぺんの神様はいいだろうと答えた。 本来ならすでに気を失ってもおかしくないのだが、耐えるその根性にこたえよう。
/265ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加