第二十一話~はじめまして!~

2/7
前へ
/265ページ
次へ
僕はてっぺんの神様の威圧に耐えられず気を失ったはずだ。 多分、今は寝ているのだろうけど、なぜ、こんな夢を見るのだろう。 どう見てもここは、ご主人の彼女の病室だ。 夢だからか、僕は彼女の膝の上でうずくまっている。 「……ねぇ。お姉さん……」 試しに声をかけてみた。 よかった人の言葉だ。 一瞬だけど神猫をお払い箱になったかと思った。 「なぁに。クロちゃん」 どうして僕の名前を知っているのかな? 「どこかで僕に会ったことあったっけ?」 「会ったことはないけど、いつも絵で見てるから……。あの人は本当にあなたを上手に描いたのね……。本当にそっくり……」 僕は喉を撫でられてゴロゴロと喉を鳴らしてしまった。 どうして、こんな夢を見るのだろう。 「ふふ……。不思議そうな顔をしてますね。大丈夫。これは間違いなく夢だから」 街の様子を眺められる鏡から見ても思っていたけど、この人は本当に不思議な人だ。
/265ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加