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「うん……」
そう言って僕は膝の上から降りた。
「ありがとう。お姉さん。また夢で会いに来てもいい。神猫のお仕事が暇なときとか……。ご主人には内緒になっちゃうけど……」
「もちろん。旦那様に内緒でね。クロちゃんに旦那様のダメなとこ、いっぱい話しちゃうんだから」
「あはは。うん。ありがとうね。ご主人ばっかり見ないようにするよ。でも本当に危ないときは助けるからね!それは勝手にやるから!」
彼女はこくんと頷く。
「お願いね。クロちゃん、いつもこの街を見守ってくれてありがとうね」
僕は神猫の空間で目を覚ます。
「バーカ。この街は僕が見守る前から、いい街なんだ」
お姉さんに言ったつもりが心配そうに僕を抱き締めてくれたシロに言ってしまった。
「そうやね。クロのいる、この街は間違いなくいい街や……」
僕の顔は真っ赤になる。
「シロ、心配かけてごめんね……」
「いいんよ。目覚めてくれたなら、それでいい」
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